見やすいレポートを作るときにかなり必要なのがセルの色分けですよね。家計簿で支出の多い日だけ文字色を変更したい、ランキングを作る際にグラデーションで順位が一目でわかるようにしたい…。そんなときに役に立つのがエクセル(MS-Excel)の「条件付き書式」です。

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条件付き書式とは?

「条件付き書式」はその名の通り、ある条件に合致する場合にそのセルの書式を変更する設定のことです。

条件付き書式が非常に便利なのは、関数が不要ということ!エクセルでは便利な関数ですが複雑な入力をしなければならず、実は私も少し面倒(エンジニアなのに)です…。それが条件付き書式であれば、1.セルの範囲の指定、2.どのような条件の時に書式を変更するか、この2つの指定をするだけで簡単にセルの書式設定を変更できます。

条件付き書式はエクセルの[ホーム]のタブに表示されています。

初級編…まずは使ってみる

さて、まずはとにかく使ってみましょう![ホーム]をクリックして、条件付き書式の画面を表示します。

エクセルでは[セルの強調表示ルール]や[上位/下位ルール]など様々な書式のルールがあらかじめ用意されています。その中から、今回は[セルの強調表示ルール]→[指定の値より大きい]を選択します。エクセル条件付き書式

そうするとどのような条件を設定するかの設定画面が表示されます。今回は値が1000以上のセルを赤く変更します。書式の設定は自由に変更することができるので、好みに合わせて変更してみてください。エクセル条件付き書式設定が完了したらOKボタンをクリックします。

エクセル条件付き書式1000円以上利用した日のセルが赤く強調表示されました。

中級編…複数条件を指定する

次に複数条件を指定してみましょう。初級編では1000以上のセルに色をつけるという設定でしたが、今回は、1000以下の数値は緑に、3000以上の数値を赤にしてみます。

この条件付き書式を実現する場合、数式や関数を用いて一つの条件にすることも可能です。しかし、それには複雑な設定をしなければならないため、今回は「同じセルに条件付き書式を2つ設定する」やり方を試します。やり方は単純。初級編で紹介した[セルの強調表示]を2回繰り返せばいいだけです。

1回目 1000以下の値を緑になるように設定エクセル条件付き書式

2回目 3000以上の値を赤に設定エクセル条件付き書式

完成イメージエクセル条件付き書式

同じセルには複数の条件付き書式を設定することができるので、使い方次第でとても便利になります。

しかしこのやり方、メリット、デメリットの両方があるので要注意です。

メリット:条件付き書式に複雑な関数や数式を設定しなくていいので手軽にできる
デメリット:増えてくると条件付き書式の優先順位の管理が大変。

あまり煩雑な管理をしたくないという場合には数式を使い、簡単な条件付き書式の場合は複数設定するようにしましょう。

また、条件付き書式には「優先順位」があり、並んでいる上から順番に適用されます。優先順位を変更する場合には[ルールの管理]から順番を変更するようにしましょう。

エクセル条件付き書式

上級編…条件付き書式を自分で組み合わせる

実は条件付き書式は様々な条件を作成することが可能です。あまりに多機能すぎるので、ここでは特に便利な機能のみを紹介します。

データバー&カラースケールの組み合わせ

こちらは元から用意されている条件付き書式ですが、データバーとカラースケールを組み合わせることで、一目でランキング上位と下位、またその差をみることができるので見やすいレポートを作る場合には最適です。

重複データ

重複データを表示して色を変更してくれます。項目名が大量にある場合には重宝する条件付き書式。同じ内容を入力するミスが減るのでとても便利です。

関数との組み合わせ

条件付き書式では関数と組み合わせて書式を変更する機能が備わっています。例えばスケジュール表を作る時に土日の色を変更したり、OR関数やAND関数を用いてもっと複雑な分岐を設定することが可能になっています。

他にもある使い方のコツ

条件付き書式のコピー

条件付き書式はセルの書式設定と変わりありません。そのため[書式のコピー/貼り付け]の機能を利用することで簡単に他のセルにも適用することができます。

条件付き書式の管理

こちらは中級編でも紹介しました。条件付き書式が増えてくるとどのセルに何を設定したかを忘れがちです。忘れて値を入力して、意図しない条件付き書式が反映されてしまうこともあり得ます。そこで不要になった条件付き書式は[ルールの管理]を開いて確認し、都度削除するようにしましょう。

終わりに

覚えてしまえば関数を入力する手間も省けてとても便利な条件付き書式。営業成績のレポートや家計簿、スポーツの成績の管理など様々な箇所で利用シーンがあるので、是非とも使いこなしたい機能ですね。